スポーン

スポーンは1990年代に大ヒットしたアメリカン・コミック(アメコミ)で、日本でも熱狂的なファンを抱えた作品です。作者は「スパイダーマン」「X-MEN」などを生み出したマーベル・コミックスで活動していたトッド・マクファーレン。その卓越した画力とストーリー構成やキャラクター造形が話題を呼び、スポーンはアメコミ映画化ラッシュの火付け役ともなったのです。

スポーンとは

スポーン(SPAWN)には、「生まれたての、ヒヨッ子」という意味があります。ここから転じて「成り立ての地獄の兵士」という意味を作品内で持たされています。魔王マルボルギアとの契約によって甦ったスポーンたちはやがてマルボルギアに忠実な戦力として目覚め、天界と地獄の戦いに借り出される運命を背負っています。

スポーンがヒットした理由

スポーンはアメコミにありがちの二極化した勢力の対立と、正義のヒーロー・スポーンの戦いを描いた作品ではありません。誰もが共感しやすく、わかりやすいテーマである「愛」を根底に置き、天界も魔界もエゴを剥き出しにした勢力として描かれているのです。90年代にアメコミを席巻したダークヒーローブームを牽引したのが、スポーンなのです。また、作者のトッド・マクファーレンによって設立されたマクファーレン・トイズによって発売されたスポーンのアクションフィギュアは全米で熱狂的な人気を博し、日本にも上陸すると同時にアクションフィギュアブームを引き起こしました。すなわち、スポーンの人気は原作のコミックスと関連商品のアクションフィギュアによって巻き起こったものなのです。

スポーンのあらすじ

CIAの優秀な工作員であったアルは、魔王マルボルギアとアルの上司によって仕掛けられた陰謀で命を落としてしまいます。愛する妻ワンダと再会したい一心でアルはマルボルギアとの契約を交わし、ヘルスポーンとして再生することになります。しかし、甦ったアルは五年後の世界に放り出されてしまいます。ワンダは既にアルの友人と再婚しており、甦った理由を失ってしまうのです。それでもアルは愛する者の居る世界を守るため、スポーンとして天界や魔界の軍勢と戦っていくことを誓うのです。

スポーンの魅力

スポーンはマクファーレンのセンスが遺憾なく発揮された独特のデザインを持っています。トレードマークである、黒い覆面とコスチューム、そして赤いマントは従来のアメコミヒーローを踏襲しているように見えますが、コスチュームそのものが生物としてのダイナミズムに溢れていることに気付きます。スポーンにとってこのコスチュームは身を守るプロテクターであると同時に戦うための武器でもあるのです。また、スポーンの世界を彩る登場人物たちも魅力的な存在です。普通の人間でありながらスポーンを支援する私立探偵のサムとトゥイッチ、かつては自分もスポーンだったという謎の老人カリオストロ、スポーンのライバルとして登場する天使アンジェラ、スポーンのお目付け役で欲深きバイオレーター、対ヘルスポーン戦士として改造されたリディーマーなどのキャラクターが入り乱れ、己の信念やエゴを持って激突するのです。

スポーンのアクションフィギュア

アメリカでは、アメリカン・コミックのアクションフィギュアが隆盛を誇っています。その背景には、量産の下請けを担うアジア諸国の技術力の向上や大人向けのホビーとしての認知度の高さなどが挙げられます。中でもスポーンのアクションフィギュアは、未だ高い人気を誇っています。スポーンのアクションフィギュアの完成度の高さは、原作者であるマクファーレン自身が監修に当たっているだけでなく、自ら会社を興していることにあります。クオリティのチェックを高い水準で行うことによって、非常にレベルの高いフィギュアの量産を可能にしているのです。

スポーンのメディア展開

スポーンは1997年に映画化を果たしています。ストーリーは原作の序盤をなぞったもので、コスチュームの鎖やマントをCGで緻密に描写し話題を呼びましたが、2000年代のアメコミ映画ブームに乗ることは出来ませんでした。またテレビゲーム化もされており日本やアメリカでも発売されています。

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